第594章

南條真美は栗原愛南をじっと見つめ、顔の笑みが凍りついた。

彼女は信じられない様子で栗原愛南を見つめ、尋ねた。「愛南、そう言えば私が認めると思うの？証拠なんてあるはずないわ！」

栗原愛南は目を細め、冷笑した。「八木珊夏があなたを裏切ったわ。彼女が馬鹿だと思ってたの？あなたが彼女に任務を与えるたびに、証拠を残さないと思う？」

そう言いながら、栗原愛南は携帯を取り出し、南條真美に差し出した。「ここにあなたたちのすべてのチャット履歴とメッセージ、それに相手とのすべての連絡方法、さらには送金記録まで...南條真美、今回は逃げられないわ！」

南條真美は顎を引き締めた。「この売女！」

栗原愛南はすぐに川内美玲を見た。

川内美玲は一歩前に出た。「南條さん、あなたを殺人未遂の容疑で逮捕します。取り調べのため、署までご同行願います！」

南條真美は拳を握りしめ、怒りで体を震わせながら、最後に冷笑した。「愛南、この程度の証拠で私を逮捕できると思ってるの？甘いわね！」

川内美玲は栗原愛南の言葉を待たずに、直接言った。「南條さん、私たちと一緒に来てください！抵抗なさるなら、即座に逮捕させていただきます！」

南條真美は深く息を吸い、ようやく両手を差し出し、川内美玲に容赦なく手錠をかけられた。

そして、彼女は栗原愛南を見た。

栗原愛南は言った。「先に彼女を外で待っていて。」

川内美玲は頷き、南條真美を押した。「外へ出なさい。」

南條真美は視線を川内美玲から栗原愛南へと移し、何かに気付いたように言った。「あなたたち、グルだったの？」

川内美玲は冷たい表情で「行くわよ！」と言った。

南條真美は抵抗したが、両手は既に拘束されていた。彼女は何かを悟ったように叫んだ。「そう来たわね！まさかあなたたちが手を組むなんて！触らないで、言っておくけど、私は狐なんて知らないわ！私はあの狐じゃない！」

川内美玲は即座に口を開いた。「南條さん、私たちの先ほどの会話で、狐という人物を捕まえようとしているという話は一切出ていなかったはずですが？なぜあなたは私たちが狐を追っていることを知っているんですか？」

南條真美は言葉に詰まった。

川内美玲は冷笑し、傍らの人間に言った。「記録しておいて、これも証拠になります！」

「はい。」