斎藤愛南は玄関のところにどれくらい立っていたのか分からなかったが、彼女の足元のゴミ箱には、すでにたくさんのひまわりの種の殻が入っていた。
彼女は自分でどこからか椅子を持ってきて、そこに座って待ち伏せしていた。
栗原愛南は彼女を見て眉をひそめ、すぐに森川北翔と目を合わせた。
二人は今回、国境に向かう予定で、状況は非常に危険だった。しかも、藤原明正先生を国に連れ戻すことは、それ自体が極秘の任務だった。
一度で成功させなければならず、余計な面倒を引き起こすわけにはいかなかった。
この斎藤愛南は性格が奇妙で、気分の浮き沈みが激しく、一時はよく、一時は悪く、立場が何なのか見極めがつかない。栗原愛南がどうして彼女を連れて行けるだろうか?
しかし、斎藤愛南は立ち上がり、遠慮なく言った:「行きましょう、私は準備できています!」