第727話

森川元碩はここまで聞くと、すぐに周りを見回した。

今日ここに残って、森川元碩への森川北翔の処置を見守っている人々は、森川北翔の支援のために残る栗原家の数人を除いて、全員が森川家の人々で、森川辰と藤原美里も来ていた。

二人は傍らに立ち、静かに彼を見つめていた。

森川おばあ様が亡くなった日、栗原愛南は森川辰に連絡し、おばあ様との最後の別れに来るよう伝え、藤原美里もそれを知って自ら来ていた。

人間とは本当に不思議な生き物だ。

以前森川家にいた頃、藤原美里は怒りに満ちており、誰を見ても気に入らず、森川おばあ様に対しても全く敬意を示さなかったが、外での生活を経て、諦めることを学んだ後、藤原美里は驚くほど穏やかになっていた。

今の彼女は普通の母親、普通の妻のように見え、精神状態も非常に良好だった。