第728話

森川元碩が陰険な表情を浮かべているとき、森川お爺さんが直接言い出した。「おばあ様の名義には森川グループの株式20%、不動産3棟、海浜市に2棟、京都に1棟、預金9億円、宝石類などがあり、遺言書で、彼女名義の株式のうち5%を孫嫁の栗原愛南に...」

森川元碩は嘲笑って言った。「皆さん、よく聞いてください。おばあ様は情けをかけすぎて、この外様の嫁にまで5%の株式を与えるのに、私たち本家には何もないんですよ!」

その言葉が落ちるや否や、森川お爺さんは冷たく言った。「黙りなさい!最後まで読み終えてから話しなさい。」

森川元碩は「読み終わってどうなるんですか?結局、本家には何も与えられないんでしょう?!」

森川お爺さんは直接続けた。「残りの15%の株式は、息子の森川光佑、孫の森川北翔、ひ孫の森川辰にそれぞれ5%ずつ。海浜市の2棟の不動産は孫の森川北翔に、京都の1棟の不動産はひ孫の森川辰に、預金は3人の相続人で均等に分配し、宝石類は全て孫嫁の栗原愛南に贈与する。」

「......」

森川お爺さんが遺言書を全て読み終えると、その場は静まり返った。

全員が信じられない様子でその遺言書を見つめ、森川元碩さえも呆然としていた。彼は森川お爺さんの手にある遺言書を驚愕の表情で見つめ、まるで現実を受け入れられない状態だった。

彼は呟いた。「まさか...そんなはずない...おばあ様が本家に株式をくれるなんて?」

森川お爺さんは彼を睨みつけて言った。「そうだ、本来なら本家へのこれらの株式は全てお前のものだった。だが、お前自身の悪行のせいで、今では本家の遺産は全て森川辰に渡ることになったのだ!」

森川元碩は全身が凍りついたかのようになり、その後、足に力が入らなくなって二歩よろめいた。「まさか...そんなはずない...」

森川北翔は冷ややかに口を開いた。「おばあ様は私によく面倒を見てくださいましたが、本家の皆さんのことも決して気にかけないわけではありませんでした。兄さん、今になって分かりましたか?」

森川元碩は首を振った。「ありえない、そんなはずない...」

彼は突然森川辰の方を見て、彼の前まで駆け寄った。「私はお前の親だ、今すぐその株式を全部私によこせ!」