その言葉を聞いて、森川は眉をひそめた。「馬鹿な!」
森川元碩は口を開いた。「お爺さん、ご存知ないでしょうが、藤原美里と森川辰は私のお金目当てなんです。秋乃と佑奈は私に対して本当に誠実なんです。ほら、二人が来てからというもの、私とおばあ様の関係は飛躍的に良くなりました。これは彼女たちのおかげです。彼女たちはおばあ様に孝行を尽くしていて、藤原美里と辰よりずっと優れています!」
森川の顔色が一気に暗くなった。
しかし今は本家の事を話す時ではなく、彼は再び森川おばあ様に目を向けた。「お姉様、最近はいかがお過ごしですか?」
森川おばあ様は微笑んで答えた。「とても良いわ、弟よ、安心して!」
森川は森川おばあ様の傍に歩み寄り、隣に座った。二人は家族の話をし始め、ほとんど森川が話し、森川おばあ様は優しく微笑みながら聞いていた。
森川は自分が子供の頃、お姉様の後をついて歩いていた時のことを思い出していた。
長姉は母のようなものだ。
森川おばあ様は彼にとって母親のような存在だった……
森川も森川おばあ様の命が長くないことを感じ取り、心が痛んだ。
二人がどれくらい話したか分からないうちに、森川光佑がついに口を開いた。「叔父さん、今日はちょうど良いタイミングでいらっしゃいました。母の遺言について改めて相談しようと思っていたところです。叔父さんがいれば証人になっていただけますし、叔父さんがいれば森川北翔もおとなしくなるでしょう。」
森川光佑は特に森川に電話をして来てもらったのだ。
遺言の修正については、本来なら彼らと弁護士で話し合えば良いことだが、森川がいなければ、森川北翔が従わない場合、彼らは森川北翔に太刀打ちできないのだ。
森川北翔は幼い頃から本家で育ち、森川に対して敬意を持っている。彼がここにいれば、森川北翔も多少は面子を立ててくれるだろう。
森川光佑はそう考えながら、森川北翔を一瞥した。
森川北翔は表情を変えず、静かに座っていて、何も言わなかった。
森川は眉をひそめて彼を一瞥し、そして尋ねた。「どのように変更するつもりだ?」
森川光佑は咳払いをした。「母の財産は、当然私が相続することになります!私は彼女の第一順位の相続人である息子ですから。」
株式が森川光佑の手に渡れば、後で森川元碩に渡せる、全て森川元碩のものになる!