第750章

栗原愛南が必死に人を救おうとしたのは、まず森川北翔が改造した車が普通の車より安全だと確信していたからだ。次に二人の命を救うためであり、そして小島愛絵と小島早絵の車を保全し、この事故が事故なのか人為的なものなのかを確認するためだった。

正直なところ、今でも南條家の件について疑問を抱いている。

幼い頃から現在まで生きてきて、個人の認識が深まり、科学分野でも一定の成果を上げた彼女は、この世界に宇宙人がいると信じても、玄學は信じない人間だった。

幽霊や神の話など、すべてたわごとだと思っていた。

しかし今日の事故は、斎藤愛南の言葉を証明し、南條家の予言には確かに何かがあることを示していた……

だが本当に予言のせいなのか?それとも南條家が自分たちの予言能力を証明するために仕組んだ人為的なものなのか?