第787話

「ライオンって誰なの？」

斎藤愛南は初めて手羽先とひまわりの種を置き、ソファーの上で落ち着かない様子で飛び跳ね、栗原愛南に好奇心いっぱいに急かした。「早く教えて、早く！」

栗原愛南と森川北翔は目を合わせ、それから二人は斎藤愛南を見つめた。

栗原愛南は斎藤愛南に手招きをした。

斎藤愛南は即座に目を輝かせながら飛びついてきて、直接耳を栗原愛南の前に寄せた。

栗原愛南は彼女の耳に近づいて「小島愛絵が私に教えてくれたんだけど…」

斎藤愛南は目を輝かせ、「早く言って、耳を洗って聞き直した方がいい？」

栗原愛南は口角を引きつらせて「その慣用句は洗耳恭聴っていうの。本当に耳を洗うわけじゃないわ」

「あぁ、そう、じゃあ恭しく聴きますから、早く教えて！すっごく気になるの！」斎藤愛南は声を潜めて「知らないでしょ？この数年間、私がライオンと何回も対決してきたのよ！本当に誰なのか知りたくて仕方がないの！」

栗原愛南は口角を引きつらせて「そんなに気になるの？」

斎藤愛南は首を縦に振りまくった「うんうんうんうん～」

「じゃあ、教えてあげる…」栗原愛南は言葉を引き延ばし、最後にこう言った「これは秘密よ」

斎藤愛南：？？？

彼女は完全に固まってしまい、信じられない様子で栗原愛南を見つめた。

彼女は驚いて目を見開き、まるで毛を逆立てた猫のように、栗原愛南の首を絞めんばかりに飛びかかろうとした「あーもう、からかってるの！」

栗原愛南は眉を上げた「うん」

斎藤愛南は即座に怒り出した「どうして教えてくれないの？私はすべての秘密をあなたと共有してきたのに、どうして教えてくれないの！」

栗原愛南は冷静に彼女を見つめた「私と共有してきたの？じゃあ教えて、南條家の秘密って何？南條家はどこにあるの？」

斎藤愛南：「……」

彼女はその言葉に詰まり、そして胸を膨らませたり凹ませたりしながら怒り、最後に足を踏み鳴らして外に向かって歩き出した。まるで不当な扱いを受けた子供のように「もう知らない！」

栗原愛南は彼女が入り口まで行き、突然立ち止まり、急に振り返って、テーブルの前まで来て、かがんでその上にあるひまわりの種と手羽先を取り、再び足を踏み鳴らすのを見ていた「本当にもう知らないからね！」

「ふーん」

栗原愛南の返事は非常に冷静だった。

斎藤愛南：？