第784章

森川北翔の言葉に、皆が一斉に驚いた。

小島愛絵はすぐに口を開いた。「では、森川さんに監視カメラの映像を確認していただけますか。」

森川北翔が手を振ると、執事はすぐに手配に向かった。

森川麻理亜は信じられない様子で目を見開き、森川北翔と栗原愛南を見つめ、怒りを込めて尋ねた。「監視カメラを設置したの?」

栗原愛南は頷いた。「そうよ。最近、家に厄介者が多いから、不測の事態に備えて監視カメラを設置したの。今みたいな状況で、誰も説明できないなら、監視カメラの映像を見ればいいでしょう。」

森川麻理亜は即座に唇を噛み、拳を強く握りしめた。

彼女は栗原愛南と森川北翔が自分を試しているだけだと思った。

だって、誰がキッチンに監視カメラを設置するというの?

斎藤愛南は彼女を見つめて言った。「今なら本当のことを話せば...この薬を飲ませて、あと数日生かしてあげるかもしれないわ。」

森川麻理亜はその言葉を聞いて、冷笑した。

キッチンの監視カメラは絶対に偽物だと確信した。でなければ、斎藤愛南がそんなことを言うはずがない。

彼女は小島保史の腕を掴んで言った。「あなた、私が嘘をつくわけないでしょう?私を信じてくれる?」

小島保史はすぐに頷いた。「もちろん信じているよ!佑奈、君はいつも優しくて思いやりがあって、叔父さんや伯母さんとも仲直りしたいと思っていたじゃないか。嘘なんかあるはずがない!」

小島保史はそう言うと、栗原愛南と森川北翔を睨みつけた。「二人とも佑奈を陥れようとしないでください。彼女はもう死にそうなんです。私を騙すなんてできるはずがない!」

栗原愛南と森川北翔は目を合わせたが、何も言わなかった。

小島愛絵が口を開いた。「保史、落ち着いて。」

「兄さん、どうやって落ち着けというんです?!」小島保史はほとんど狂乱状態で、目を真っ赤にして、森川麻理亜を指差しながら尋ねた。「見てください、弟の妻が、もう死にそうなんです。殺人者の家で落ち着けというんですか?兄さん、私はあなたを責めません。栗原愛南があなたの命を救ったのは、あなたたちの恩義でしょう。でも私は...妻の仇を討たなければならないんです!彼女を死なせるわけにはいかない!」

小島愛絵は眉をひそめた。