新マネージャー小林真弓

二日目は広告の撮影日で、天野奈々は本来数人のモデルと一緒に撮影する予定だった。しかし…カメラマンは奈々のオーラが強すぎると感じ、人数が多いと逆に彼女の引き立て役になってしまうため、男性モデル一人だけを残すことにした。

中村は朝早くから奈々の部屋のドアをノックした。しかし…天野奈々がドアを開けたとき、明らかに何かを隠そうとしていて、中村さんを部屋に入れたくない様子だった。中村さんは突然天野奈々を睨みつけて問いただした。「部屋に誰かいるの?」

「私は…」

「天野さん!どうしてこんなことするの?あのクズ男とは別れたとはいえ、墨野社長と結婚したばかりじゃない。外で浮気なんてしちゃダメでしょ!入らせて、入らせて。どいつがそんな図々しくも私の奈々を誘惑したのか見せてもらうわよ!」中村は少し興奮し、力も強くなっていた。ドアを押し開けようとしたその時、墨野宙が突然手でドアを支え、その大きな体で二人を覆い隠すように立った。

「ボス、あなたでしたか…」

中村は呆然とし、バカ笑いをした。

墨野宙は中村を一瞥し、目に少しばかりの賞賛の色が浮かんだ。彼女がいるおかげで、他の男が奈々に近づく機会がないことに安心していたからだ。彼は何も言わず、直接バスルームに入って身支度を始めた。

中村は人が去ったのを見て、やっと天野奈々の腕に寄り添って言った。「どうして早く教えてくれなかったの?私、大恥かいちゃったじゃない!」

「私も昨晩入ってきたときに気づいたのよ」奈々は無邪気に肩をすくめた。

「まあ、なんてロマンチックなの。墨野社長はそんなに忙しい人なのに、わざわざこんな場所まで飛んできて奈々に付き添うなんて。奈々、あなた本当に運が向いてきたわね。あのクズ男と何年も一緒にいたけど、彼があなたの仕事場に来たことなんてあったかしら?」中村は興奮して言った。「やっぱり、人と人との間には違いがあるのね」

「撮影場所に行くの?」天野奈々は彼女に注意を促した。もっとも、昨晩の彼女の反応は中村さんとさほど変わらなかったのだが。

「墨野社長も行くの?」

「多分ね」奈々は小声で言った。