翌朝、冬島翼と雨野柔子がオフィスに入ると、冬島翼のデスクには多くの誕生日プレゼントが置かれていた。雨野柔子はそれを見て、自分が冬島翼の誕生日を忘れていたことに気づいた…
これまでの冬島翼の誕生日には、彼女はいつも奇抜なアイデアを出し、あの手この手で冬島翼を引き留め、天野奈々をバカみたいに待たせていた。しかし、今は昔とは違う。不倫の喜びを味わった後、雨野柔子は自分がもう後戻りできないことに気づいた。
「翼、最近体調が悪くて…だからプレゼントも用意できなかったの」雨野柔子は自ら冬島翼の肩に手を回し、細い指で彼の胸元を撫でた。これが冬島翼の弱点だと知っていたからだ。
案の定、冬島翼は彼女の右手を握り、寛大さを示した。「分かってるよ、妊娠中は大変だろうけど、今夜はちゃんと埋め合わせてもらうからね…」