第136章 これからが本番だ!

山田静香は安藤皓司に向かって微かに横顔を見せ、口元を少し上げた。そして、彼女の眼鏡のレンズは光の反射で暗く不気味に見えた。

彼女、山田静香が怖がったことなどあっただろうか?

安藤皓司はもう何も言わなかった。どうせ、もうすぐ面白いことが起こるのだから……

「あなたがオレンジから追い出されるのを先に見させてもらうわ」この言葉を言い終えると、山田静香は西田夏美を連れてエレベーターを出た。残された安藤皓司の端正な顔に、ほんの少し困惑の色が浮かんだ。

オレンジの別の場所にある秘密の休憩室で、中村さんは片手でスマホを操作しながら、顔を上げて天野奈々を見た。「緊張してる?」

天野奈々は目を閉じて小休止を取りながら、首を振った。「私はただ、山田静香がどんな表情をするのか知りたいだけよ」