東雲愛理は他のことには自信がないかもしれないが、体型については常に誇りを持っていた。
世界トップ10の美乳ランキングで3位以内。
世界トップ10の美尻ランキングで3位以内。
ランウェイ上では、これが彼女の最も自信のある部分で、負けたことはなかった。天野奈々に勝つチャンスがあるとは到底信じられなかった。たとえ天野奈々に墨野宙の後ろ盾があったとしても。
東雲愛理はまだ墨野宙の先ほどの言葉から立ち直れていないようで、干されるというのがどういう概念なのかよくわかっていないようだった。今は天野奈々に勝つことだけを考えており、ただ勝ちたいという思いだけだった。
他のタレントたちは皆この面白い展開を待っていた。海輝でこのような内紛は初めてのことで、同じ事務所のタレント同士が殺し合うような機会は滅多にない。意外にも、彼らはそれを楽しみにしていた。
東雲愛理も海輝の先例を破ったと言える。公の場で墨野宙に挑戦するなんて、結果は予想通りだった。
干される……
しかし彼女は落ち着いていて、自分の今後の立場がどうなるかを全く気にしていないようだった。おそらく、海輝がなくてもスターキングがあると思っているのだろう。
スターキングならさらに栄光への道を与えてくれるはずだ!
天野奈々を待つ間、墨野宙は立ち上がり、海輝のプロデューサーと制作について話し合い、音楽プロデューサーとヒット曲について話し、俳優と脚本について話した。彼は天野奈々が彼の顔に泥を塗るのではないかと全く心配していないようだった……
その中には心配する俳優もいた。結局のところ、これほど長い年月の中で、本当に海輝と対立したのは東雲愛理だけだったし、彼女の集客力も悪くなかった。
「墨野社長、東雲愛理が……海輝のことを外部に漏らすことはないでしょうか?」
この懸念を聞いた墨野宙は笑いながら答えた。「そうするなら彼女はまず2億円用意しないといけない。1億円は海輝への賠償金、もう1億円は彼女が中傷したタレントへの賠償金だ。あとは我々が広報対応すればいい。大した影響はない」
つまり、東雲愛理が狂気に走らない限り、他人にお金を渡すようなことはしないということだ……
1億円……