第327章 腹黒さのレベル

J-KINGを何も残さないよりも、まず海輝の株式を守った方がいい。少なくとも、最後には何も失わないという結果にはならないだろう。

  しかし明らかに、優位に立つだけでは不十分だった。墨野宙はまだ天野奈々のファンの潔白を証明しなければならなかった……

  だから偽のファンはまだ探す必要があり、証拠もまだ集める必要があった。

  J-KINGとの約束では、高宮美咲は栄光ある退場をするはずだった。しかし今や、汚名を着せられただけでなく、進退窮まった状況に陥っていた。

  本来なら天野奈々が跪くはずだったのに、今や彼女が跪くことになった!

  本来なら天野奈々が謝罪すべきだったのに、今や彼女が負けを認めざるを得なくなった。

  それだけでなく、彼女は暴徒たちのために映画の出演を拒否するという笑い話のような行動をとり、海輝を怒らせただけでなく、自分の所属事務所である小林 げいせいまで巻き込んでしまった。