第365章 結婚したの？

この記者会見のために、山本修治は心血を注いだ。

墨野宙の要求が非常に高いことを知っていたので、東京で最高級のザ・サリーホテルを選び、豪華な会場を用意し、厳重な入場管理を行い、会場に入る記者一人一人に対して非常に高い要求を課した。

これは海輝のタレントが今まで受けたことのない待遇だった……

このニュースが広まると、皆が噂し始めた。これは墨野宙が天野奈々を支持する証だろうと。

しかし、彼らは天野家の突然の絶縁宣言を予想していなかった。海輝がたった一日でこれらの準備をするのは不可能だった。つまり、これは墨野宙が前もって用意していたもので、本来は彼と天野奈々の結婚発表に使うはずだったのだが……

天野家が態度を示した以上、彼も何らかの対応をすべきだろう！

夜の6時半、墨野宙は一日の仕事を終えてホテルに到着し、休憩室に入ると、窓際に立つ天野奈々の姿を見た。

寒さの残るコートを脱ぎ、後ろから天野奈々を抱きしめた。「何を考えているの？」

「あなたのことよ！」天野奈々は墨野宙の頬に寄り添いながら答えた。「私たちのこれからの生活のこと、これから何十年も一緒に過ごすことを考えていたの。それを思うと、温かくて、幸せな気持ちになるわ。」

天野奈々の言葉を聞いて、墨野宙は彼女を振り向かせ、手を握りながら言った。「結婚を公表しても、君は天野奈々のままでいい。私のために何も変える必要はない。これまで通り、ショーに出たり、演技をしたりしていい。そして私は生涯、君だけのマネージャーとして、君が望むなら……」

「じゃあ、私は生涯契約を結ばないといけないの？」

「契約書をちゃんと読んでないの？契約期間は死後50年だよ。」

天野奈々は爪先立ちになって墨野宙の唇にキスをし、彼の首に腕を回して言った。「そろそろ時間ね。礼服に着替えさせてあげる。」

「天野家のことで、傷ついているか？」墨野宙は天野奈々の手を取りながら尋ね、二人で更衣室に向かった。墨野宙は鏡の前で両腕を広げた。

「悲しいというより、怒りと悔しさの方が大きいわ。でも、あなたがすぐに私の仕返しをしてくれることは分かってるの。」天野奈々は墨野宙のスーツを脱がせ、シャツのボタンを外して、彼の見事な腹筋を露わにした。

「分かってるならいい……」