第358章 芸能ニュースに載りたくない！

冗談どころか、とんでもない冗談だ！

「改めて申し上げますが、墨野社長は池田さんとは全く面識がなく、ただシャネルのパーティーで一度お会いしただけです。これ以上の関係を持つつもりもありません。墨野社長と天野奈々さんの関係は良好です。世俗的な目で他人の感情を見ないでください」

「これが海輝からの最後の声明です。もし、メディアが再び噂を流すなら、申し訳ありませんが、容赦なく対応させていただきます」

言い終わると、山本修治は海輝に戻り、颯爽と自分のオフィスへ向かった。

残された記者たちは直ちに荷物をまとめ始めた。また新しい記事のネタができたのだ。

なんと、すべては名門令嬢の一方的な思い込みだったのだ！

ネット上では池田ここはの一方的な思い込みの事実が瞬く間に広まった。

「本当に彼女のことが恥ずかしい。まさか墨野さんと結婚できると思っていたなんて」

「池田さんは自己愛の新記録を更新したね……」

「気づいてない？墨野宙のような腹黒で冷酷な性格には、天野奈々のような情商の持ち主でないと釣り合わない。このような頭の悪い令嬢とは……相手にする価値もないから、海輝は山本修治を出したんじゃない？」

「違う！山本修治も明らかにうんざりした様子だったでしょ？」

「あー、この面目丸つぶれ、気持ちいい！ハハハ、お金があれば何でもできると思ったの？」

「また間違ってる。天野奈々の家柄も相当なものよ。ただ、彼女は家族に頼らなかっただけ……」

……

新聞は池田ここはを恥知らずな、みっともない形で追いかけ回す女として描き、それが池田のお父さんの不満を引き起こした。普段は池田ここはに怒ることは少なかったが、今回の件は、池田ここはが自ら招いたことで、彼にはそれがはっきりと分かっていた。

「恥ずかしくないのか？」書斎で、池田のお父さんは手を後ろに組んで池田ここはを問い詰めた。

池田ここはは顔を真っ赤にして、目を逸らした。

「お前が恥ずかしくないなら、私の顔が丸つぶれだ。これでいいのか？私がどこに行っても、人々の異様な目にさらされる。お前がこんな笑い者になったせいで、取引先は我が家の家風が緩いと思い、信用できないと判断して、予定していた取引をキャンセルしたんだぞ！」

「一体何がしたかったんだ？なぜ海輝に喧嘩を売るような真似をした？」