第405章 お前を踏みつけようとする者は、至る所にいる

天野剛が舞台を降りた後、マネージャーは彼の肩を叩いた。もちろん、彼と天野奈々の関係は知らなかった。

「お前、本当にラッキーだったな。社長と天野奈々も居合わせて、しかも天野奈々はいつも義理堅いからな。以前の深水藍華や山本修治も彼女の助けを受けたんだ。今度はお前の番とは、俺も羨ましいよ。」

「天野奈々さんは本当にいい人ですね。」

「当然だろう、我が社長夫人が悪い人なわけないだろう?」マネージャーは天野剛の腕を掴んで、二人で楽屋に向かった。「早く化粧を落とそう。」

「はい。」天野剛が楽屋のドアを開けると、K&Gのメンバー三人が、不穏な目つきで彼を見つめているのが見えた。

天野剛は気にせず、そのまま席に座り、メイクさんに化粧を落としてもらった。

すぐに、楽屋の廊下で急ぎ足の音と話し声が聞こえてきた。天野剛のマネージャーが外でその人たちと話をしていたが、すぐに交渉は失敗に終わった。ドアがノックされた。

メイクさんが化粧落としを置いてドアを開けに行くと、三、四人の警察官が入ってきた。

「あなたたち...」

「通報を受けました。こちらのタレントの鈴木ほしという方が大麻を使用しているとのことで、すぐに駆けつけました。鈴木ほしさんはどなたですか?」

天野剛は愕然とし、突然何かを悟ったように、鋭い目つきで意気揚々とした三人の若者を見つめた。

「この人です!」田中唱が天野剛を指差して言った。「彼のバッグを調べてください。私たち三人が先ほど目撃しました!」

「私はあなたたちと何の恨みもないのに、なぜ私を陥れようとするんですか?」天野剛が問い詰めると、マネージャーも困惑した様子で天野剛に尋ねた。「これはどういうことだ?」

「彼らは私が薬物を使用していると誹謗中傷し、警察まで呼んだんです!」天野剛は声を荒げて言った。

「誹謗中傷?あなたが言ったように、私たちはあなたと何の恨みもないのに、なぜ誹謗中傷する必要があるでしょうか?警察官、この男を逮捕してください!こんな状況でもまだ素直に認めないなんて。」金髪に染めた田中かずなりが、天野剛を指差しながら傲慢な態度で言い放った。

「やすのぶ、正直に話してくれ。本当にそんなことをしたのか?」マネージャーが尋ねた。