もし昔の時代なら、近藤とうさんのような性格は、まさに梟雄と呼ぶにふさわしいものだっただろう。
彼は性格が荒々しく、疑い深い。実の娘に対しても容赦なく、それなのに田中翠に対しては言いなりになっていた。
そうなると、近藤青子はこの戦いで負け組となる。
なぜなら、近藤とうさんにとって、彼女は有って無くてもいい存在だからだ。
近藤青子は顔色を失い、食器を持つ手が震えていた。「あの女にすべてを騙し取られてしまうのが怖くて、私はここを離れられなかったの」
「ほう?私のことを心配しているのか、それとも遺産のことか?青子、言っておくが、近藤家は私が一から築き上げたものだ。誰に与えようと私の勝手だ。全部寄付したって、お前は黙って見ているしかないんだ」近藤とうさんは冷たく言い放った。