第726章 海輝が動き出す

展開があまりにも急で、外部の人々は情報を更新する余裕もなく、メディアは丹野茜が柴崎小百合を告発した罪状が、証拠不足により全て成立しなかったことしか知らなかった。

柴崎小百合は丹野茜より先に立ち去り、メディアの前で傲慢な態度を見せた。一方、丹野茜はどうだったか?

記者たちのカメラの前で、丹野茜は突然しゃがみ込み、苦しそうな表情で言った。「今は何も求めません。ただ悪人を制裁することだけを願います。誰か証拠を提供してくれる方がいれば、私の全財産を報酬として差し上げます。」

「丹野さん、どのような理由で柴崎小百合さんを告発することを決意されたのですか?差し支えなければ教えていただけますか?」

「警察には全て話しました。私は法の裁きを受ける覚悟があります。ただ、法が罪を犯した者、特に柴崎小百合を見逃さないことを願います!」そう言うと、丹野茜は海輝のボディーガードに守られながら警察署を後にした。

もちろん、このような複雑な芸能ゴシップは、暇を持て余したネットユーザーたちの間で熱い議論を巻き起こした。

「もしこれが本当に柴崎小百合の仕業で、証拠が掴めないのなら、許せないね。」

「その通り。丹野茜は法による制裁を求める姿勢を見せ、最悪の事態も覚悟しているようだ。彼女には献身的な精神があるんだね。柴崎小百合が法の裁きを逃れないことを願う。」

「でも、もしかしたら丹野茜が意図的に柴崎小百合に復讐しようとしているのかもしれない。証拠がない今の状況では何とも言えないよね。」

……

どちらにせよ、今は双方を支持する人々がおり、それぞれが自分の意見を主張している。

丹野茜は柴崎小百合に罪があると断言するが、警察は何の証拠も見つけられない。

このような状況で柴崎小百合に代価を払わせるのは……極めて困難だ。

だからこそ、この状況でも柴崎小百合が傲慢な態度を取れるのも無理はない……

丹野茜の自首の結果を知っていたため、天野奈々はボディーガードに丹野茜をハイアットレジデンスまで送らせた。天野奈々はあかちゃんたちを寝かしつけた後、リビングに入ると丹野茜がいた。

「結果は聞いています……」