その後、天野奈々は一般病棟に移されました。このとき、墨野玲奈は二人のあかちゃんを抱きながら、嬉しそうに奈々の前に差し出し、宝物を見せるように「ほら、男の子よ」と言いました。
天野奈々は、ほとんど同じ顔をした二人のあかちゃんを見て、突然呆然としました。墨野玲奈はそれを見て、笑いながら「自分で何人産んだか知らないの?」と言いました。
天野奈々は首を振り、期待の眼差しを墨野宙に向けました。墨野宙もまだあかちゃんを見ていませんでした。この瞬間が初めての対面でした。
「抱いてみませんか?」と墨野玲奈は墨野宙に尋ねました。
墨野宙は動きませんでした。おそらく父親という立場にまだ完全に慣れていないのでしょう。この瞬間、二人の子供の父親として、どれほど重大な責任を背負っているかを実感したからです。
これからは、二人の子供が彼と天野奈々に依存して生きていくのです。
あらゆる準備は整えていたはずなのに、実際にあかちゃんを目の当たりにすると、少し慌ててしまいました。
墨野玲奈は墨野宙の緊張を察したのか、両腕を上げるように指示し、自分が赤ちゃんを抱く姿勢を真似させました。そして、二人のあかちゃんを墨野宙の腕の中に置きました。
あかちゃんはとても小さく見えました...特に墨野宙の腕の中では。でも、とてもよく眠っていて、静かで、安心感に満ちているようでした。
「あら、お父さんが赤ちゃんを抱いても泣かないわね」と傍らの看護師が、この光景を見て微笑みました。「きっと、あかちゃんとお父さんの関係はとても良くなるでしょうね」
天野奈々は、墨野宙が慎重に扱う様子を見ながら、体を起こしてあかちゃんの頬を撫で、満足げな笑みを浮かべました...
...
深夜、病室は静まり返っていました。
天野奈々は目を覚まし、墨野宙がまだベッドの傍らで見守っているのを見て、心配になりました。「あかちゃんも生まれたし、私も大丈夫だから、何日も眠っていないでしょう?私を心配させないで」
墨野宙は天野奈々を見上げ、ただ一目見ただけで頷きました。「わかった」
そう言って、ベッドの端を回り、天野奈々の隣に横たわりました。
天野奈々は慌てて止めようとしました。「だめ、あかちゃんを産んだばかりで体が清潔じゃないから」