第740章 後患を断つ

「分かりました」安藤皓司は重々しく言った。

いや、彼は理解しただけではなく、この瞬間、頭の中が非常にクリアになっていた。

清水星華が自分にとってどんな存在で、どんな位置づけなのか、彼の心の中では明確だった。草野仁美は過去の人であり、無関係な二人のために自分の恋人を傷つけるようなことはできないし、するつもりもない。

だから、深夜にもかかわらず、安藤皓司はまだ営業している携帯ショップに行き、清水星華のために新しいSIMカードを作り、その夜のうちに届けた。ただし、最後には天野奈々に清水星華の睡眠を妨げないよう頼んだ。

天野奈々は携帯を受け取り、あきらめたように首を振ったが、それでも友人のこの頼みを引き受けた。他人の恋愛には、やはり口を出さない方がいい。

たとえ、それが相手のためだと思っても。