第778話 一番バカなバカ

「清水星華の実父は人でなしだ。こんな人は死刑にすべきだ」

「これで、清水星華も芸能界にいられなくなるだろう。こんな父親を持つなんて、恥ずかしい。一生の汚点だ」

「麻薬を使って飲酒運転とは、こんな人は八つ裂きにしてほしい」

「父親がこんなだから、清水星華もろくな人間じゃないんだろう」

「清水星華も不運だな。父親は六歳の時に失踪したって聞いたけど、やっと現れたと思ったら、自分の娘の将来を台無しにしてしまった」

……

そう、清水星華は深く理解していた。この事件のせいで、もう芸能界にいられなくなった。安藤皓司や墨野宙まで巻き込むわけにはいかない。

だから、警察の取り調べが終わった後、清水星華は取調室を出て、すべての遺族の前で深々と頭を下げて謝罪した。「父の代わりに謝罪させていただきます。どうか許していただきたい。ご遺族の方々が受けた被害は、私が全力で補償させていただきます。もちろん、お金では大切な命は戻らないことは承知しております」