第788章 さすが噂通り……の脳無し!

「世間では志村ドクターの名前を聞いていましたが、今日お会いして、まさに噂通りの...バカですね!」天野明日野は目を細めて志村碧に言った。「専門性は確かにありますが、情商が本当にゼロです。子供の診察をする時は、まず家に帰って自分の情商を高める方法を考えた方がいいでしょう。」

天野明日野は志村碧が書いた医学論文を読んでいて、彼女が完璧主義者だということも知っていた。ただ、彼女の考えは理想主義的すぎて、他人の立場を全く理解せず、思い込みばかりだった。

彼女は子供が最も大切で、両親は子供のそばで細やかな世話をしなければならないと考え、さらに、子供は世界で最も貴重な存在で、大人は希望に満ちた子供に無条件で道を譲るべきだと常々思っていた。

「何様のつもりで私に説教してるの?」志村碧は天野明日野を上から下まで見渡し、疑いと傲慢さを含んだ口調で言った。

「私が小児科の准教授で、あなたはまだ専門医だからです。」そう言って、天野明日野は自分の身分証を取り出した。

実際、専門分野において志村碧は確かに優秀で、天野明日野もそれを認めざるを得なかったが、志村碧の人としての在り方に問題があり、そのため名声はあるものの、地位と能力に大きな差が生じていた。

志村碧は身分証を見て、しぶしぶ口を閉ざした。

その後、一行はすぐにこの病院を後にし、途中で天野明日野は墨野宙夫妻に言った。「普段から医学に関心を持たなさすぎるから、舞が病気になるとすぐに慌ててしまうんです。なぜ最初から私に電話をしなかったんですか?確かに志村碧のいる病院は東京で最高の小児科病院ですが、彼女に診てもらったら、子供は治るかもしれませんが、両親は必ずストレスで病気になってしまいます。」

「私は最高の医療チームを結成しました...」

「舞は今のところ必要ありません。まず自衛隊病院に連れて行って、私の恩師に診てもらいましょう。もちろん、医療チームは必要ですが、普段からもっと検査に気を配るべきです。」天野明日野は完全に職業病が出て、目の前が墨野宙であっても、つい一言二言言わずにはいられなかった。

実際、感情の深さを論じるなら、天野奈々は、天野家の中で、自分と天野明日野は変わり者だと思っていた。