「星野晶って誰?」
「今回のオーディション番組でトップ100に直接進出した選手よ……」
「ああ、彼女がどうしたの?」
「3年前にオーディションで窃盗を働いて優勝資格を失ったって噂よ。まさか3年後に名前を変えて、また参加するなんて」
「そうか、泥棒だったのね……そんな黒い過去があるのに、どうして進出できたの?」
「厚かましいんでしょうね。名前を変えて、イメージチェンジすれば誰にもバレないと思ったんでしょうけど、結局バレちゃった。これも因果応報ね……」
選手のスキャンダルは、オーディション番組では初めてではない。ここ数年、常にあったことだが、星野晶は二度目の主役として新聞を賑わせただけだった。ネット上では当然、非難の声が飛び交っていた。この時代、泥棒に対する嫌悪感は非常に強いものだった。