新婚の夜、加藤静流はネックレスをしまい込んだ。永遠の心の由来を知ったからだ。正直に言えば、まだ久世家の物を受け入れることができなかった。ネックレスは彼女の名誉を守ってくれたのだから、返したいと思った。
バスルームからは、シャワーの音が木下准の入浴を告げていた。加藤静流は赤い絹のパジャマを着て、二人の寝室のベッドを振り返った。
その瞬間、彼女は突然顔を赤らめた。本当に結婚したのだと実感し、これからどういうことが起こるのかも分かっていたからだ。
すぐに、木下准は上半身裸でバスルームから出てきて、静流が物を片付けているのを見ると、後ろから抱きしめた。「もういいよ、休もう?」
静流は彼の言葉の意味を理解し、ゆっくりと手の中の物を置いた。
木下准はそれを見て、すぐに彼女を抱き上げ、柔らかな婚礼のベッドに寝かせた。5時にはまた出かけなければならないので、今この時を大切にしなければならなかった。