第62章 最後の手続き

「見てみなさい。あの子の気性を。私は前まで育ちがいいと思っていたのに、今のあの態度を見てごらん。高橋家の人らしくないわ。姉帰の方がまだ礼儀をわきまえているわ」高橋進は荒い息を吐きながら言った。「そばで育てなかった子どもは、やはり頼りにならないものだ」

高橋忠一は眉をひそめ、池村琴子が去った方向を心配そうに見つめた。

父も敬一と同様に、まだ琴子の性格に慣れていなかった。

琴子もまた、この家族に溶け込む準備ができていないように。

琴子に心から私たちを認めてもらいたいなら、最初から彼女の心を冷やしてはいけない。

彼は父に向かって真剣に言った。「お父さん、琴子の言う通りです。お父さんが間違っていました」

「最初から彼女の決定に口を出さないようにと言ったはずです。この二十数年間、お父さんのそばで育っていないのだから、彼女の行動様式や性格はすでに形成されています。私たちは彼女が徐々に私たちを受け入れるのを待つべきで、無理に彼女の人生を決めつけるべきではありません」