池村琴子は彼女が食べたばかりの菓子を見つめた。甘そうに見えたが、実際には中に梅干し菜と肉が入っていた。外はサクサクしているのに、中に梅干し菜が入っているなんて、なんという悪魔のような料理だろう?
手にしていたものを投げ出すと、テーブルの男性たちは多かれ少なかれ、彼女を品定めするような視線を向けてきた。
特に先ほどの嘔吐シーンの後、これらの男性たちの表情は少し険しくなっていた。
先ほどの誤解を招くような動作は、余計な想像を避けられないものだった。
池村琴子は平然とした表情を保ちながらも、心臓は激しく鼓動していた。
前回山本正博と関係を持ってから約一ヶ月が経っていた。生理は不規則だったので、気にもしていなかった。
まさかそんなに都合よく…?
高橋進も疑わしげな表情を浮かべ、池村琴子と他の人を引き合わせようという思いも薄れていた。