部屋の中で、高橋進は椅子に座り、眉間に不安の色を浮かべていたが、彼女が入ってくると、目を上げ、鋭い光を放った。
高木朝子は胸が高鳴り、手に持った契約書を差し出した。「高橋伯父、これが私が作成した契約書です。」
高橋進は何も言わなかった。
彼女は不安げに契約書を机の上に置いた。
数十秒の沈黙が流れ、高木朝子が足の指で床を引っ掻くほど居心地が悪くなった頃、高橋進はようやく顔を上げて彼女を見た。
「朝子、君と高橋は子供の頃からの知り合いだよね?」
高木朝子は少し戸惑い、そして頷いた。「私と彼は子供の頃からよく口喧嘩をしていて、みんなに相思相愛の仲だと言われていました。」
彼女は明るく笑い、幼く純真な表情は無邪気で無害に見えた。
このような人物があんな事をするとは信じがたかった。