第153章 修羅場

安藤静は怒って山本正博を睨みつけた。

本来なら一人で来るつもりだったのに、厚かましい山本正博が勝手に来ただけでなく、山本正博まで連れてきた。

池村琴子の家に男が増えているのを見て、安藤静は腸が青くなるほど悔しかった。

南條夜のことは知っていた。ニュースでよく見かける男で、前回の子供認知騒動も大きな話題になった。

南條夜とあのタレントの間では、彼女は断固として南條夜派だった。

「私たち、来るタイミングが悪かったかしら?」と安藤静は尋ねた。

「僕は絶好のタイミングだと思うけどね」鈴木哲寧はニヤニヤしながら、片手で安藤静の首に腕を回し、もう片方の手で山本正博の首に腕を回した。まるで老狐のような笑みを浮かべていた。

安藤静は冷笑いを浮かべながら、肘で後ろを強く突いた。鈴木哲寧は悲鳴を上げて胸を押さえ、顔を歪めた。