ケンタッキーフライドチキン店で、山本宝子はハンバーガーを美味しそうに食べ終わり、コーラを一口飲んで満足そうに置いた。
山本宝子が楽しそうに食べているのを見て、池村琴子はテーブルをコツコツと叩いた。「ねぇ、今なら話してくれる?」
山本宝子はケンタッキーを食べてからでないと秘密を話さないと言っていた。
テーブルの上に山積みになった食べ物を見て、池村琴子はこの小僧にまた騙されたのではないかと思った。
山本宝子は物足りなさそうに尋ねた。「もう一杯コーラをもらえますか?」
「きりがないわね!」池村琴子は文句を言いながらも、もう一杯コーラを買ってあげた。
山本宝子は本当に嬉しそうだった。以前は高木朝子がお菓子を食べることを許さず、山本家に戻ってからも祖母がジャンクフードだと言ってこういうものを食べることを許してくれなかった。
他の子供たちがハンバーガーやフライドポテトを食べているのを自慢げに見せびらかしても、羨ましく思うことしかできなかった。今日やっと満足できた。
その喜びに満ちた表情を見て、池村琴子は口角を引きつらせながら、横目で彼を見た。「今日、価値のある情報を話してくれないなら、食べたものを全部吐き出してもらうわよ。」
「分かりました、今話します。」山本宝子は優雅に手と口を拭い、小さな顎を少し上げて、衝撃的な言葉を口にした。「実は、あなたのお母さんは私のお母さんに殴られたんです。」
池村琴子は眉をひそめ、息を荒くした。「どうして知ってるの?実際に見たの?」
「はい、見ました。」山本宝子は頷いた。「その時、私は近くの棚に隠れていました。あなたのお母さんは花瓶が落ちて当たったんじゃなくて、私のお母さんが...花瓶で殴ったんです。」
山本宝子ははっきりと言葉を発し、重要な部分を話す時、目に恐怖の色が浮かんでいた。
池村琴子の心臓は激しく鼓動し、すぐに立ち上がって山本宝子の前にしゃがみ込み、彼を見つめて尋ねた。「他に何を見た?何を聞いた?全部話して。」
山本宝子はその日のことを全て彼女に話した。
池村琴子は聞けば聞くほど驚愕した。
高橋姉帰の心が純粋でないことは予想していたが、まさか高木朝子と共謀して家族を陥れるとは思わなかった。
彼女たちの高橋進への説明を思い出し、池村琴子は冷笑を浮かべた。