第143章 姑の母に真実を告げる

山本正博は淡々と言った。「高橋忠一が君にくれたあのマンションは、南條夜の名義だ」

池村琴子は驚いた。そのマンションが南條夜のものだとは思わなかった。

昨日、彼女はそのマンションを見に行った。

マンションは高級内装で、家具も揃っており、間取りと採光も良く、ソファで少し休んだだけで心地よさを感じ、すぐにそのマンションが気に入った。

ずっと兄からのプレゼントだと思っていたが、まさか所有者が南條夜だとは。

南條夜の申し訳なさそうな表情を思い出し、琴子の心臓が高鳴った。

南條夜は彼女に償いたかったのだろう、兄たちと共謀してこのことを隠していた。

でも山本正博はどうやって知ったのだろう?

「私のことを調べているの?」琴子は眉をひそめて彼を見た。「私も知らないのに、あなたがそんなに詳しく知っているなんて、スパイを配置するのも大変でしょうね」