第213章 価値がない

「私です」

池村琴子は素直に認めた。

高橋謙一は少し驚き、疑わしげに尋ねた。「どうして"W"組織の人を知っているんだ?」

「高橋姉帰さんにその組織の友人がいるなら、私にだっていてもおかしくないでしょう?」池村琴子は眉を上げ、意味深な笑みを浮かべた。

その言葉を聞いて、高橋謙一は大笑いした。「じゃあ今夜は面白いものが見られそうだな。さあ行こう、一緒に彼女のお祝いに行こう!もし高橋姉帰の嘘がその場でばれたら、笑い転げちゃうぞ!」

……

光町市の中心部にあるマンション。

山本正博は鈴木哲寧と部屋で話をしていた。横山紫がお茶を持って入り口まで来ると、中の声がはっきりと聞こえてきた。

「高木朝子はこの数年ずっと山本正広と連絡を取り続けていたんだ。だから山本宝子を密かに産むことができたわけだ」