鈴木邸で、鈴木鈴は池村琴子の腕を組んで笑顔で外に出た。「行こう行こう!お父さんがカードをくれたの。あなたを買い物に連れて行けって。こんなチャンス、今日は思いっきり使わなきゃね」
昨夜のことがあって、鈴木正男は彼女に制限なく使えるクレジットカードを渡し、琴子を買い物に連れて行くように言った。朝食を済ませるとすぐに、鈴木鈴はいとこを連れて外出した。
「あれ?門の前で誰か喧嘩してるの?」鈴木鈴は目を見開いて、警備員を呼ぼうとしたが、池村琴子が適時に止めた。
「私の友達よ」
高木阿波子と高木財源だった。
高木阿波子は納得がいかないようで、高木財源とその場で口論になっていた。傍に停めてあるBMWの中では運転手が気まずそうに座っており、行くこともできず、残るのも難しい状況だった。