第242章 私もあなたと行きます

「"W"組織から追放されたんじゃないの?まだ入れるの?」木村勝一の瞳に深い意味が宿った。

横山紫の顔が赤くなり、恥ずかしそうに言い淀んだ。「確かに追放されましたけど、きっと陥れられたんです。それに、組織には私と仲の良い人もいて、入るのを手伝ってくれます」

「組織のリーダーと話し合えば、組織に戻れる可能性もあるかもしれません」

その可能性は低いものの、ゼロではなかった。

組織内には彼女と仲の良い人が少なくなく、その人たちが良い言葉を掛けてくれれば、池村琴子を失脚させることはできなくても、少なくとも自分と同じように苦しい思いをさせることはできるだろう。

木村勝一は淡々と彼女を一瞥し、彼女の顔が真っ赤になっているのを見て、深い瞳に波風一つ立てなかった。

「池村琴子は組織でどのくらいの地位なんだ?」