第338章 波乱が収まらぬうちに、新たな波乱が

この芝居は彼女と高木財源が前から計画していたもので、高橋進が出てきて自分がバカだと証明しない限り、みんなは必ず疑いの目を向けるはずだった。

野次馬たちは真実を必要としない。彼らは自分の心の中で真実を推測するだろう。

疑いの種が植え付けられさえすれば、高橋グループに致命的な打撃を与えることになる。

高木財源は彼女よりもさらに容赦なく、病院の名前まで明かしてしまった。この件が広がれば、高橋進のあの友人も無関係ではいられないだろう。

竹内雅子が現れた瞬間、池村琴子の心に蛇のような冷たさが這い寄った。

他の事なら、彼女にはまだコントロールできる自信があった。

しかし高橋進が病気を装っていたことは事実だった。

事実である以上、いずれ真相は明らかになる。

鈴木羽はステージの下で、すでに全身を震わせるほど怒っていた。