「この病院に来た時、あなたを追いかけていたパパラッチ二人を追い払ったばかりなのに、今はもうあなたの居場所を知られてしまって、またバーに行くなんて、何か起きたらどうするの?」マネージャーは頭を抱えて焦っていた。
せっかくこの有力なスポンサーと繋がったのに、まさかこんなに反抗的な人だとは思わなかった。
「まだたくさんの契約が残っているのよ、よく考えて。」
「契約」という言葉を聞いて、山口念の目が一瞬止まった。
最近確かに多くの広告契約を結んでいた。
「心配しないで、松田柔子に会いに行くだけよ、馬鹿なことはしないわ。」
これらの契約は全て池村琴子のおかげだった。取り上げられても構わない、最悪ゼロからやり直せばいい。
松田柔子を困らせることができるなら、少しぐらいの犠牲は厭わない。