第415章 野心を持つ孫

木村爺さんは笑った。

数十歳どころか、十歳若くても、この組織を引き継ぐつもりだった。

古来より、権力と金に興味を持たない男などいない。

残念ながら、彼は年を取り、長くは生きられない。この組織を手に入れても無駄になるだけだ。早めに後継者を見つけた方が、子孫のためにもなる。

「爺さんを騙すつもりはありません。私はこの組織に興味があり、爺さんに任せてほしいのです。」

その言葉を聞いて、木村爺さんは無言で笑った。

この孫の度胸が気に入った。以前の抜けた様子とは別人のようだった。

「私も君に任せたいが、これは君の父が決めたことだからな...」木村爺さんは躊躇いを見せた。

その組織が一体どうなっているのか、今でもよく分からない。正博に任せると言っても、正博が上手く引き継げるかどうか、疑問に思っていた。