第431章 賭をしましょう

横山紫は歯を食いしばり、顔色が青くなったり白くなったりした。

松田柔子は何でも持っている上に、山本社長の父親からの信物まで持っている。どう考えても「W」と繋がりを持てるはずなのに、自分といえば山崎三郎というコネ以外何も持っていない。

「可乃子さん、最初にあなたが私を探してきたんですよ。後始末の責任を取るべきでは...」もし松田柔子が積極的に声をかけてこなかったら、山本正博に組織を任せられるなんて言わなかったら、私も山崎三郎に会いに行くリスクは冒さなかった。

山崎三郎は彼女の上司で、このコネは将来の大事な時のために取っておきたかったのに。彼女は苦心して松田柔子のために橋渡しをしたのに、最後にこんな結果になってしまった。

「そうよ!私があなたを探したわ。でも私たちはパートナーでしょう?栄えるも共に、傷つくも共に。誠治がこんなことをするなんて誰が想像できたでしょう...」