第421章 あなたの父の艶話

喫茶店の窓際で、白いレースのカーテンがそよ風に揺れ、心をくすぐるように揺らめいていた。

竹内雅子は窓際のソファに寄りかかり、落ち込んだ表情を浮かべていた。

時間が一分一秒と過ぎていくが、高木財源はまだ来ない。

高木財源は今や彼女の唯一の希望だった。

お腹の子供の父親が不明であることを考えると、竹内雅子は吐き気を覚えた。

あの日、上田従雲が子供は自分のものではないと言った後、鈴木邸に入っていった。

彼女は立ち去らず、むしろこっそりと上田従雲と池村琴子の関係を探り、驚くべき情報を耳にした。上田従雲は池村琴子の祖母と何か言い表せない関係があるようだった。

もし上田従雲が池村琴子の後ろ盾になれば、高橋進でさえ池村琴子を認めざるを得なくなるだろう。

自分の努力が水の泡になったことを考えると、竹内雅子は怒りと焦りを感じ、高木財源という後ろ盾をしっかりと掴んでおきたかった。