山本正博の目は冷たく、刃物のように鋭かった。渡辺義広は心臓が跳ね、怖くなって顔をそらした。
目の前の男の凄さを知っていた彼は、挑発するほど愚かではなかったが、山本正博を羨ましく思っていた。
好奇心を抑えようとしたが、それでも池村琴子を何度も見てしまった。
彼女の容姿には幾分かの朦朧とした美しさがあり、心を揺さぶるような美しさだった。特にその眉間には、慵懶な純粋さが漂い、唇の端が微かに上がっていて、今にも開こうとする花びらのようで、艶やかさと気品が一体となっていた。
彼は多くの美しい女性を見てきたが、その大半はインスタグラマー顔で、このように個性的で目が離せないほど美しい人は非常に珍しかった。
そして彼女の隣の男性は、さらに際立った容姿を持っていた。彼女が一輪の花なら、彼女の傍らの男性はその花を摘む人のようで、完璧に調和していて、少しの違和感もなかった。