第459章 彼は私を嫌わない

高橋敬一はその言葉に言葉を失った。

高橋姉帰の涙を思い出し、高橋敬一はため息をついた。「それでも、彼女にそんな仕事を与えるべきではなかった。彼女の足が...」

「彼女には断る権利がありました」池村琴子は容赦なく彼の言葉を遮った。「入社する前に、彼女には断る選択肢がありました。私は彼女を強制していません」

高橋敬一は黙り込んだ。

彼は池村琴子の言葉が正しいことを認めざるを得なかった。

姉帰はその時断ることができたはずだ。しかし彼女は断らなかっただけでなく、彼の法律事務所に行くことも拒否した。

さっき高橋姉帰は泣きながら、会社の人々が一週間分のゴミを彼女に片付けさせたと不満を漏らしていたが、今考えると、それは単に姉帰が仕事をしたくない言い訳だったのかもしれない。

「君が彼女に不満を持っているのは分かる」高橋敬一はため息をついた。「いい、この件は私が解決する」