第474章 私は渡さない、あなたに何ができる?

「しかし、私たち木村家のものは返してもらわないといけませんね。例えば……」木村誠治は言葉を引き延ばした。「あの組織です。」

また組織を返せという話だ。

この家族は、まともな人間が一人もいない。

池村琴子は地面に落ちているゴールドカードを指差した。「それが師匠が残した組織です。すべてこのカードの中にあります。東京最大の財産委託会社に聞けばわかります。」

木村誠治は眉を上げ、彼女が「W」組織をこんなに簡単に手放すとは思っていなかったようだ。

しかし次の瞬間、池村琴子は続けた。「師匠が創立したのは『J』組織で、私が創立したのは『W』組織です。間違えないでくださいね。」

二つの組織?

木村誠治は瞳孔を縮ませ、明らかにこんな展開を予想していなかった。

木村誠治が何か言おうとした時、山本正博の鋭い視線で止められた。「木村誠治、木村家に返すべきものは返したんだ。それ以外の欲しがるべきでないものは、欲張るな。」