第536章 人の心で人の心を買う

「この前、私に逆らった時にこの件を暴露しなかったけど、私は短気だから、いつ話してしまうかわからないよ」高木財源はにこにこと笑っていたが、高木阿波子の目には悪魔のように映った。

「一体何がしたいの?」高木阿波子はイライラして、全身に殺気が漂っていた。

母と祖母を連れ去り、彼女の身分を明かすなど、高木財源は明らかに彼女に圧力をかけていた。

「なんて口の利き方だ。さっき言ったばかりじゃないか。ただ'赤バラ'としての身分を取り戻してほしいだけだ。お前の姉さんは死んでしまったし、今は私にはお前しかいないんだ」高木財源はため息をつきながら言った。「私には後継ぎがいない。私が死んだら全てお前のものだ。今、私を助けることは自分を助けることになるんだよ」

「赤バラになんてなりたくない」高木阿波子は冷たい目つきで言った。