第535章 赤バラ

「私からもらったものは価値があるから、安心して。成功したら、あなたたちのことはちゃんと考えているわ。新しい会社が設立されたら、あなたと渡辺義広は会社の創業株主よ」

高木財源は気前よく、豪快にそう言い放った。

他の人なら興奮したはずだが、高橋姉帰は何かを思い出し、息を飲んだ。「いいえ、その時は全部義広に渡してください。私は必要ありません」

もし高橋グループが倒産して、彼女が高木グループの株主になったら、誰でも何が起きたのか察することができる。

「なぜ?高橋家を恐れているのか?」高木財源は不気味に笑った。「安心しろ。これを出せば、どんな会社でも持ちこたえられない。お前が目立ちたくなくても、いずれ彼らはお前を疑うことになる」

「高橋さん、一度この船に乗ったら、もう降りられないよ」