池村琴子は瞳を震わせた。「まだ諦めていないの……」
組織の力でも見つけられない真相を、山本正博が調べるのは、もっと厄介なことになるかもしれない。
彼女はもう諦めかけていた。今は家族と再会できたのだから、当時の真相はそれほど重要ではなくなっていた。
「君が気にしていないのはわかっている。でも、あの連中が再び現れることが心配なんだ」山本正博は瞳を深く沈ませた。「あの連中を見つけ出さないと、安心できない」
池村琴子は頷いた。
このような毒瘤は、確かに見つけ出すべきだ。
「その人を見つけたの?」池村琴子は祖母が真相を告げた時のことを思い出した。
小さい頃から、彼女は祖母に両親の居場所を尋ねていた。幼い頃は祖母にごまかされていたが、年を重ねるにつれて、近所の人々や祖母の言いよどみの意味がわかってきた。