第558章 一網打尽

池村琴子は瞳を震わせた。「まだ諦めていないの……」

組織の力でも見つけられない真相を、山本正博が調べるのは、もっと厄介なことになるかもしれない。

彼女はもう諦めかけていた。今は家族と再会できたのだから、当時の真相はそれほど重要ではなくなっていた。

「君が気にしていないのはわかっている。でも、あの連中が再び現れることが心配なんだ」山本正博は瞳を深く沈ませた。「あの連中を見つけ出さないと、安心できない」

池村琴子は頷いた。

このような毒瘤は、確かに見つけ出すべきだ。

「その人を見つけたの?」池村琴子は祖母が真相を告げた時のことを思い出した。

小さい頃から、彼女は祖母に両親の居場所を尋ねていた。幼い頃は祖母にごまかされていたが、年を重ねるにつれて、近所の人々や祖母の言いよどみの意味がわかってきた。