096 自由に出入り

渡部琳は、もはや隠し通せないと悟ったのか、本性を露わにした。「ふざけんな!あんなに長い間一緒に寝てたのに、あんたはまだあの下賤な女と離婚もしてないのね。さっさと金を出せ、さもないとあんたの家庭を台無しにしてやるわ」

渡部琳にこれほど長い間騙されていたことに、浅川陽は怒り狂いそうだった。子供ができないのは自分の体に問題があるのだと思い込んでいたのだ。

渡部琳の服を掴むと、その顔を平手打ちした。「よくも金を要求できたものだ。お前の過去を全て調べ上げてやる。一銭も渡すものか。それと、お前の両親も姉も弟も、俺が買ってやった家からたたき出してやる。お前の父親と弟は仕事なんて探せなくなるぞ。体を売って養っていけばいい!」

家を取り上げられると聞いて、渡部琳は動揺し、感情が崩壊した。浅川陽の横に跪いて「ダメ!お願い!あなた怒らないで、全部私が悪かったの。あの時は若くて間違いを犯しました。もう二度としません。必ず男の子を産んであげます!」

そこで加藤恋が追い打ちをかけた。「そういえば、以前放送室の監視カメラを担当していた時に、とても興味深い映像を保存していたんですけど。浅川さん、ご覧になりますか?まさかあなたがそこまで派手にやっているとは思いませんでしたけど」

この時、浅川陽はついに頭上に広がる青々とした草原を感じたのだった!

「女性に手を上げたくはないが、こんな下劣な女は許せない!」そう言うと、我慢の限界に達したかのように、渡部琳の頬を何度も激しく叩いた。

「この淫売!売女!よくも俺を騙して、浮気までしやがって。ぶち殺してやる!」

「よく言えたものね。あんたこそ離婚したって私に言ったじゃない。浅川陽、私が善人じゃないように、あんただって君子じゃないでしょ。何が偉そうに!」渡部琳は叩かれながら叫び続け、髪は乱れ、まるで狂人のようだった。

「まだ言い訳か。いいだろう!裁判所が俺が買ってやった家を取り戻すのを待ってろ!」

この言葉を聞いて、渡部琳はもう我慢できなくなり、浅川陽に殴る蹴るの反撃を始めた。彼女は浅川家に取り入るために心血を注ぎ、セレブ夫人になる夢を見ていたのに、今や全てが水泡に帰してしまった!

そして、これは全て彼女が最も憎む加藤恋のせいだった。