121 彼は賭けを望む

「君が新しいモデルなの?スタイルもなかなかいいじゃない。RCにいても将来性がないわ。うちに来たほうがいいわよ、きっと前途有望よ」

中間尚は加藤恋を上から下まで品定めするように見つめていた。こんな女性が自分の会社に入ってくれば、必ず近づいていくだろう。この夏川梅はなかなか人を見る目があるな、こんな美人をモデルに選んだなんて。もし今ここに人が大勢いなければ、すぐにでもアプローチするところだった。結局のところ、彼のような金持ち二世を断る人なんていないし、ましてや加藤恋は彼から見れば単なる小さなモデルに過ぎない。お金のある人についていくに決まっているし、彼のような家柄の人と繋がれるチャンスなんて、喜んで飛びつくはずだ。

加藤恋は中間尚を軽く一瞥して、「そんなことを言うということは、斎藤さんが私たちRCのリメイクを気に入って、謝罪したくないと思っているんじゃないですか?」