「我が病院でこんなことが起こるはずがない?お嬢さん、発言には責任を持ってください!」病室のドアが再び開かれた。「ここでデタラメを言うなんて!」
白髪の老人が入ってきて、非常に厳しい表情で加藤恋の先ほどの発言に不満げな様子だった。
もともと彼らは白血病患者の次の治療計画について会議をしていたのだが、高橋あきらが行ったきり戻ってこなかった。
「どういう状況だ?先ほど我が病院の医師の投薬で患者の症状が悪化したという話を聞いたが?」
高橋あきらは来訪者を見て急いで深呼吸をし、丁寧に挨拶をした。「林原院長、わざわざお越しいただき申し訳ありません。問題ありません、今協議中です。」
林原英明の名は東京で知らない人はいないほどだった。高橋あきらも喜色を浮かべた。この院長は世界的に有名な神醫で、医德が高く、醫術も卓越していた。彼が診た患者は最終的に全て完治すると言われ、治せない病気はないと言われていた。