153 私はあなたを信じている

ドアに入るかどうか迷っていたところ、加藤恋の携帯が鳴り、なんと福田隼人からのメッセージだった。「事情は把握した。外にいるなら、今日は帰らないほうがいい」

このメッセージを見て、加藤恋はほっと息をつき、そのまま玄関の外へと向かった。

タクシーに乗ったところで、福田隼人から再びメッセージが届いた。「君を信じている。すでに調査して真相を明らかにするよう指示した」

温かい気持ちが加藤恋の心を包み、裏道を通って張本の叔父さんの病室へと向かった。

裏口に入ったとたん、二人の警察官と出くわした。

「加藤さん、お気をつけください」一人が前に出て、とても丁寧に挨拶をした。

「もう私のことを知っているんですね...」加藤恋は照れ笑いを浮かべた。「裏口にも警備がついているんですね?」

「加藤さん、今日不審者が騒ぎを起こしたんです。情報を受けて警備を強化しています。早くその男を捕まえないと、病院で何をするか分かりませんから」