林原英明の顔には誠意と敬意が満ちており、さらに敬語まで使っていた。加藤恋は常々このような正直な人を好んでいた。相手が目上の人でもあり、断るのも難しかった。この林原英明が本当に醫術を学んで人々の役に立ちたいと思っているのが分かった。彼からは強い使命感が感じられた。
たとえこの遊川顕が先ほど人を傷つけそうになったとしても、今の林原英明は前のことを気にせず、彼の命を第一に考えている。
このことに加藤恋は感動を覚えた。もし松本鶴が林原英明のような人に出会えば、きっと彼の前で腕前を披露したいと思うだろう!
そう考えると、加藤恋の心は揺らいだ。現代社会では、医学界でさえ、林原英明のように本心を保ち続けられる人は極めて少ない。
思い切って、林原英明にもう一度見せることにした。習得できるかどうかは、彼自身の理解力次第だ!