194 プロジェクト協力

秋山心が出て行くと、福田のお婆様は我慢できずに手を上げ、福田元の顔を激しく叩いた。福田元は殴られてぐらぐらしながら、まだ反応する間もなく、福田のお婆様は厳しく叱責した。「私は前にどう言ったの?秋山心を大切にしなさいって言ったでしょう。なのにあなたときたら、人を置き去りにして逃げ出すなんて、畜生よ!まさに畜生!こんなことで彼女があなたを好きになるわけないでしょう!この役立たずめ!」

「お婆様...お婆様!助けてください!」福田元は火照る頬を押さえながら、後悔の念に駆られた!

もしこの女がこんなに手強いと分かっていたら、決して置き去りにはしなかったのに。今や秋山心との関係は更に悪化してしまうだろう。

秋山心は事の顛末を加藤恋と福田隼人の二人に話した。福田隼人は秋山心の境遇について全く知らなかった。というのも、彼らの家族は常にお婆様から疎外され、前回の一件で家族関係は更に冷え込んでいた。これらの事情は、秋山心自身が話さなければ、恐らく彼らには全く知る由もなかったのだ。